


お客様からのお問い合わせでたいへん有難いのが『昔に手に入れた筆が、すごく書きやすくて気に入って使っていたのだが、古くなったので同じものを買い求めたい』というものです。
その時、手がかりとして筆の名前のみをおっしゃることがあります。
現在熊野町内にある筆関連業者は、大小あわせて70〜80社あると言われています。
そして、業者ごとに作った商品に名前を付けていますので、偶然に他社で出来た商品なのに名前が同じになるということが、ままあります。
さらに、筆の生産地は、熊野町以外にも、経済産業大臣指定の産地だけ挙げても奈良、豊橋、川尻と、多くの産地があります。そして、それぞれの場所で、それぞれに名前を付けているわけです。
ですから、筆の名前だけで製造業者を特定することは、かなり困難なことと言えそうです。
しかし、その他の情報がもう少し付け加わると、格段に探しやすくなります。
筆を探す機会がありましたら、参考にしてみてください。
- ●筆の軸に、名前以外のことが彫刻してありませんか?
- 筆の軸に筆の商品名以外に、製造業者の名前が彫刻してあることがあります。
- ●筆の軸にシールが貼ってありませんか?
- 筆の軸に、手がかりとなるシールが貼ってあることがあります。
- 伝産証紙
経済産業大臣指定の伝統的工芸品の統一マークです。これには産地組合の名前が書いてあるので、その商品の出来た産地がわかります。 - ブランドシール
各業者の名前が入ったシールが貼ってあることがあります。 - 価格シール
基本的には価格が書いてあるのですが、まれにここに業者名が入っていることがあります。 - 熊野筆ブランドマーク証紙
熊野筆ブランドシールには、すべてに異なる記号とシリアルナンバーが入っています。この記号と番号とシールの色が分かれば、商品を生産した業者が特定できます。
- ●筆はどんな形状ですか?
- 筆の大きさや、穂先・軸の色などが分かると、複数の同一名商品があっても、見分けやすくなります。
- ●購入時の価格がわかりますか?
- 大きいものから小さいものまでを同じ名前で揃えたシリーズになっている筆があります。価格がわかると、その中からも探しやすくなります。
- ●どこで手に入れたか、わかりますか?
- 購入したお店や、入手したルートがわかると、探しやすくなります。