「熊野筆®」は、広島県熊野町で作られる書筆や画筆、化粧筆、刷毛といった筆を指すブランドです。熊野筆事業協同組合(以下当組合)が2004年に国の団体商標を取得しており、生産地や原料などに関する一定の基準を満たし、当組合と契約を締結のうえ、認証・登録を受けた筆だけが「熊野筆®」を名乗ることができます。
江戸時代の末期、町の人々の暮らしを支えるために生まれたといわれる熊野筆。時代を重ねる中でものづくりの技は研鑽され、昭和50年(1975年)、経済産業省(当時の通商産業省)からその前年に制定されたばかりの「伝統的工芸品」の認定を受けました。
Kマークは、熊野町が誇る品質の証です。 書筆に画筆、化粧筆、刷毛……ひと口に「熊野筆」といっても、その種類は実に多種多様。伝統的な書筆に限らず、熊野町内では暮らしのあらゆる場面で活躍する筆が、職人の技術によって日々生み出され続けています。
熊野町内で脈々と受け継がれてきた高い技術で作る、確かな品質を持つ筆の証が必要なのではないか。そうして話し合いが重ねられ、「Kマーク」が誕生しました。熊野筆をお買い求めの際は、ぜひKマークの入ったものをお選びください。
熊野町で筆産業に携わる職人は、人口の1割ほど(約2,000人)といわれています(令和4年現在)。そのうち伝統工芸士はわずか13人しか存在しません。彼らの筆作りにかける思いやこだわり、磨き抜かれた技の一部をご紹介します。
筆作りに対する深い知識と匠の技術、確かな経験を持ち、厳しい認定試験を経て国に認められた筆司。それが熊野筆の伝統工芸士です。彼らは担い手として優れた筆を作ると同時に、生涯をかけて技術の研鑽を続けます。